実際に生ドラムを叩いてみて、大家さんに音漏れ具合を確かめてもらう日です。久しぶりにマンションの押し入れからドラムセットを出しました。
しかもちょうど車検で代車だったので、いつものPTクルーザーよりも積みやすく、これもナイスタイミングで、全てが順調に思えました。
地下の物件に搬入して、組み立てます。
我ながら久しぶりに見るドラムセットに惚れ惚れしました。
大家さんがちゃんと収音計まで用意してくれて、例のプロジェクトの方も一緒になって地上階や周辺への音漏れ具合を確かめてもらうと言う趣旨です。
久しぶりの生ドラムに興奮しつつも、音の出し方に注意しつつだんだんと大きく叩いていきました。
(※動画にしようと思ったけどあまりの下手くそさにビックリ…笑 やっぱり楽器は練習しないとどんどんヘタになりますね…)
するとここでこのビルの五階に住んでいる大家さんのお母さん(だいぶ高齢)が降りてきて、「響きますねぇ…」と難色を示してきました。
まぁ今日はそれを確かめる為の実験だし、この結果どれくらいの防音が必要か検討する日なので、そのまま続けました。そして終了。
…結果。
大家さんは、思いの他周囲の音漏れが少ない事に安心したようですが、地下の真上の一階で婦人服店をやっていて一部構造が薄い箇所があり、かなり音が漏れてたのでそこは改善したいとの事。
それとエレベーターホールを伝ってビルの上まで響く音も気にしていたので、次回はそこを防音してみて再度実験してみようと言う話を進めていたんです。
すると…
そこに例のお母さんがやって来て、さっきまでとは比にならない怒り方で苦情を入れて来ました。
「ワタシは上に住んでるんだから!」
「オタクが他の物件探したらいいじゃない!」
と、大家さんとプロジェクトの方と三人で前向きな話をしている時にこれもんです…
大家さんがこれから防音する事や収音計の数値の話をしてももうダメ。まぁ年寄りの特徴なんでしょうけど、もう一度ダメだと思ったものはダメ。。聞く耳を持ってくれません。
そんな感じでその日は最後の最後でいや〜な感じになってしまい解散しました。
…後日。
二回目の防音実験の前に、細かい採寸などをしに再度伺いました。
確かに前回はロクに挨拶もせずにいきなりドラム叩いて音出してったんじゃ、印象も悪かったよなぁと反省し、菓子折りなどを持参して再度大家のお母さんに挨拶しましたが、もうすっかり嫌な存在と認定されたような反応でした。。笑
それでも相変わらず大家さんは前向きに話をしてくれていて、その日も一部音漏れしている可能性がある箇所があると言う事で、簡単にバスドラムだけ叩いた(踏んだ)んです。
…すると。
地上の歩道で大家さんのお母さんと立ち話をしていた向かいのお茶屋のおじさん(かなり高齢)が階段を降りて来たのです。
すると降りてくるなり、ドラムセットを見てこう言いました。
「オタクは音楽かなんかやろうとしてるの!?」
「やるならちゃんと防音してよ!!」
そして息巻いて上がって行きました。。
さらのその後周囲で音漏れ確認していた大家さんを捕まえてしている会話が聞こえてきたのです。
「あれは身体に悪い音だねぇ…まるで瓦礫の下から人がうめきながら助けを求めるような音だ」
…………。
詩人かテメーは!!
バスドラの音だけ聞いてそこまでの表現出来るなんて、ある意味才能ですわ。笑
それでも大家さんとは次の防音工事の日程を詰める話をしてその日は解散したのですが、もうこの辺りから暗雲が立ち込めていたように思います。
仮に入居できても、真向かいにそんな想像力豊かな詩人がいると思うと正直嫌ですし…
ただそれもでもやはり地下物件は希少だし、何より大家さんが協力的でいてくれるので、このなんとかこの物件で決めたい思いでした。
…が。
まさに昨日、大家さんからメールが来ました。
「家族や周囲の反対に合い、気持ちが折れてしまった」と。また「防音工事に着手して無駄になってしまう前に断っておきたい」
…と言う事で。
今回は残念でしたが気持ちが伝わる大家さんも世の中にいる事が分かったので、次への励みにしてまた物件探しを再開しようと思います。
(実は何気にスタジオ名とロゴまで考えていたんですが…)
妄想で終わりました。
(※絶対にとりたくない歳の取り方を学ばせて頂けた事には感謝いたします)