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2021年4月20日火曜日

ボーカルオーディションで渋谷へ

ちょうど先月の話です。

僕はたしかインスタの広告で出てきた「社会人でもミュージシャンを目指す」みたいなオーディションを見つけて、一次審査のアカペラ歌唱力テストにLINEで応募しました。

すると数日後…なんと合格との事。(以後全てLINEでやりとり)
はっきり言って僕は歌が上手くないのでどうしたもんか?とも思いましたが、正直かなり嬉しかったです。

そして二次審査は面談。このご時勢なのでリモート面談も選択出来たのですが、たまには都会に行ってみようと思い、渋谷のオフィスへ。



ハイ、とりあえずの一本を呑んでます。笑

田舎のローカル線と東海道線を乗り継ぎ、約2時間…渋谷に到着。相変わらずすごい人の量ですね。



そしてだいぶ早く着いたので、オーディション会場のまわりの散策します。何年かぶりの東京ですが、コロナ禍ということで飲食店はかなり色々対策してる感じでした。

時短営業という言う事で「昼飲み大歓迎!アルコール全品半額!」というイタリアン居酒屋みたいのを発見し、飛び込みました。



オーディション前だというのに、完全なる一人飲み会が始まってしまいました。笑
だってビール半額ですからね!しかも喫煙所まであるというかなりレアなお店(※この後、お店選びで大苦戦しました)

そしていざ面談へ。



(別に悪く言うつもりはないので名指しは避けますが、コチラです。笑)

担当ディレクターと名乗る若い男性とブースで面談が始まります。自分の音楽遍歴や、職歴、志望動機や音楽に対する想いなどなど…前半は質問に答える感じで話をしていきます。

そして後半からはこのオーディションの意図や企業理念など、逆に先方の話を聞いていく感じです。

結論から言うと「音楽活動を始めたい人をサポートする」のが目的との事。つまりオーディション自体が、その人がミュージシャンになったあかつきに発生する収益が目的では無く、ミュージシャンを始める為にサポートをするプロジェクト自体が収益なので、その人が売れようが売れまいが問題では無い、と言う事なのです。


そしてそのプロジェクト費用…





77万円!!





具体的には…

・オリジナル楽曲の制作
・ボイストレーニング
・カラオケ配信
・プロフィール写真撮り
・専用のライブハウスで出演

とか、そのあたりにかかる費用です。

ここから、僕の疑問をぶつけてみました。

「オリジナル楽曲の提供を受けるのではなく、自分で作った曲をアレンジしてもらう事はできますか?」
→基本的に出来ません。せっかくなのでプロに作ってもらった方が良いと思いますよ。

「分かりました。ではオリジナル楽曲を生バンドでレコーディングする事は出来ますか?」
→出来ません。打ち込みで作成したトラックを聞きながら歌ってもらいます。でも最近の打ち込みはもう生バンドと変わらないようなクオリティーですよ。


…とまぁ、このあたりでもう僕の気持ちはほぼ固まりました。笑

ボイトレやオリジナル楽曲の制作費とかはココナラとかで調べればだいたい分かりますし、プロモーション費用がまったく入っていません。完成した誰も知らないオリジナル曲を、一体自分以外の誰がカラオケで歌うのでしょうか?言ってみれば「ミュージシャン擬似体験」費用みたいなものです。

その後もプロジェクト内容の話を熱弁されて、最後に「一次審査の歌唱力テストを聞いたプロがアドバイスします」と言う事でビデオメッセージが流れます。僕の場合は元ビートクルセイダーズのヒダカトオルさんでした。
ここが「プロが直接アドバイスをくれた!」というので、改めてミュージシャンになりたい想いがくすぐられる場面なのではと思います。



…でもよく考えてみるとこれ、オーディションじゃないんです。

「最終オーディションに合格しました!」
「夢を実現する為に77万円払いますか?もちろん分割払いもできます。」

と言う流れです。笑

もうお分かりいただけたとは思いますが、収益の構造がプロジェクト費用そのものなので、応募者に音楽の才能を感じるかどうかではなく、77万円を払えそうかどうか、オリジナル楽曲の制作がスムーズに進みそうかが選考のポイントでしょう。
ただあくまでオーディションという名目で「数ある応募者の中からあなたが合格しました!」と言われれば必然的に嬉しくなってしまうものだと思います。ましてや社会人になってもなおミュージシャンを諦められないような人達をターゲットにしていますから…

ただ、僕は決してこのプロジェクト自体を非難している訳ではありません。なのでこの辺りにしておきます。何かやるのにお金がかかる事は当たり前の事ですからね。


…と言う事で、なんとも言えない気持ちを胸に抱えてへーチンさんと合流。



飲み屋を探して渋谷を歩き回るのですが、コロナの給付金もらって閉めているお店が多い中で、逆に営業しているお店は時短営業という事で人が集中しちゃってどこも満席満席、もしくは予約してないと入れない。

まったくどうなってるんでしょうか。この国や自治体の中途半端な政策は。笑

ほんとに何軒も断られ、ようやく最後の最後で一軒の居酒屋に滑り込みました。



もう料理の味なんてどうでもいいです。笑
酒が飲めてタバコが吸える場所は、たぶん渋谷ではこの一軒だけでした。笑

なーんて思ってたら、料理もちゃっかり美味い。
良い店見つけちゃいました。



ちなみにへーちんさんもおれも無職。

失業保険もらって転職活度中という事でお互いに積もる話がたくさんありました。早い話、とにかく「拗らせてる」っていう話です。笑

帰りの電車で、色々と思い返してモヤモヤしてきた僕は「最終オーディションを辞退します」とLINEで連絡をいれました。

その時にちょうど乗り換えた駅が国府津。



大学の時、どうしようもなく悲しい気持ちになったまま帰宅した時に、そのまま家に帰りたくなくて途中下車して、真っ暗な夜の海を見に行ったのも国府津だったなぁ。

そう、悲しみはいつも国府津。



(あとがき)

そこから一か月後の今現在。
遂に失業保険も終了し、明日からまた普通に働く日々が始まります。電気工事会社です。

この半年間で一番力を入れたYouTubeも自分の判断ミスから諸々と致命的な結果になり、またこれまた自分の行いでマンション住まいにもかなりの暗雲が立ち込め、もう色々な事がどうにもならない状況で、ここ数年で一番気が滅入ってしまっています。

でもこんな状況もいつか振り返って笑えるよう、あえて記述します。

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